はじめに

深度合成を用いて撮影した昆虫をタイトル通り”ためつすがめつ”、様々な方向から掲載し紹介していきたいと思います。同定間違い、学名等の間違い、どんどんご指摘ください。今後ともよろしくお願い致します。

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2017年9月23日土曜日

標本写真 2017.9.18① ホソヒラタゴミムシなど

   しばらく更新をさぼっておりました。継続はやはり難しいですね。現在はできるだけ多くの甲虫の深度合成による標本写真を撮りためたいと思っております。そこで、採集後に展足したものをできる限り素早く撮影することにしました。これからは標本写真が主体で、採集の記録よりもその種について書こうかなと思います。誤同定や新たな知見などがありましたら、教えていただけると幸いです。
   画像はサムネイルですので、クリック(タップ)してご覧ください。

オサムシ科 Carabidae

ナガゴミムシ亜科 Pterostichinae

ヒラタゴミムシ族 Platynini

コハラアカモリヒラタゴミムシ
Colpodes (Lissagonums) lampros (Bates, 1873)

コハラアカモリヒラタゴミムシ
   鞘翅が金緑色になるヒラタゴミムシの仲間。この仲間の同定は苦手で、実際にコがない方と間違え指摘していただいた。後脚胕節の第4節が二裂するなどの特徴がある。朽木にスプレーをかけたら落ちてきた。肉眼だとほぼ黒く見えるが、光を当てることで渋い光を見せる。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻、WEB図鑑「里山のゴミムシ」、森正人 兵庫県のヒラタゴミムシ きべりはむし)

ホソヒラタゴミムシ
Pristosia aeneocola (Bates, 1873)
ホソヒラタゴミムシ
   こちらも朽木のスプレーで落ちてきたゴミムシ。図鑑では真っ黒なように見えるが、撮影してみると鞘翅がかすかに金緑色であった。どうやら地域によっては色彩も多少変わるらしい。どこを見てもかっこいいゴミムシだが、個人的には胕節の爪が櫛歯状になっているのがとてもかっこいいと思っている。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻、WEB図鑑「里山のゴミムシ」、森正人 兵庫県のヒラタゴミムシ きべりはむし)


ハネカクシ科 Staphylinidae

デオキノコムシ亜科 Scaphidiinae

Scaphidiini 

エグリデオキノコムシ♀
Scaphidium  emarginatum  Lewis, 1893
エグリデオキノコムシ♀
   この個体はメスなので、和名の由来になっている前脛節の抉れはない。Scaphidium属のなかではやや大型の種のようだ。鞘翅の紋も大きい。比較的普通に見られるようだが、私は初めて見た。触角の先端5節が大きく広がっており、魅力的。また、その前の節も丸っこくなっており、そこもなんともかわいい。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻、小川遼 日本産デオキノコムシ亜科 昆虫と自然)

ヒメデオキノコムシ♂
Scaphidium  femorale  Lewis, 1893
ヒメデオキノコムシ♂
    前種に似ているが、それよりやや小型で、触角も紋も小さい。紋に関しては特に前方のものは形の変異が大きく、時に消失するものもあるのだとか。こちらもよく採れる種だそうだ。後脚腿節にでっぱりがあるが、見えるように整形できなかった。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻、小川遼 日本産デオキノコムシ亜科 昆虫と自然)

シリアカデオキノコムシ
Scaphidium rufopygum   Lewis, 1893
シリアカデオキノコムシ
   前2種と同属ではあるが、鞘翅に紋がないので雰囲気が変わる。紋の代わりに、点刻による列がある。和名の通り翅から飛び出た腹が赤いが、それだけでなく脚も赤い。触角も控えめである。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻、小川遼 日本産デオキノコムシ亜科 昆虫と自然)

Scaphisomatini 


ヤマトホソケシデオキノコムシ
Toxidium  aberrans  Achard, 1923

ヤマトホソケシデオキノコムシ



   前種までと族が異なる、小さなデオキノコ。体型が細長くスマートなので他種と識別がつきやすいのではないだろうか。日本に広く分布するが、他の微小デオキノコと違って、1属1種しかいないそうだ。触角が前までの種と全く異なり、先端が広がらず、刺毛を備える。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻)

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