はじめに

深度合成を用いて撮影した昆虫をタイトル通り”ためつすがめつ”、様々な方向から掲載し紹介していきたいと思います。同定間違い、学名等の間違い、どんどんご指摘ください。今後ともよろしくお願い致します。

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2018年8月10日金曜日

標本写真 2018.4.30① シラケナガタマムシなど

 画像はサムネイルですので、クリック(タップ)してご覧ください。

シラケナガタマムシ

Agrilus  pilosovittatus  E. Saunders, 1873
シラケナガタマムシシラケナガタマムシ

シラケナガタマムシ

 非常に仲間が多いAgrilus属(世界に約3000種、日本にも約100種)で、同定には自信がなかったため、専門の方に確認していただいた。よく似たニセシラケナガタマムシがいるが、爪の形状が違うという。少し見づらいが、上翅の会合線付近には毛がない。フジの葉上に多数おり、交尾しているペアもいた。この属の仲間としては最も普通に見られる種類の一つだが、出会えるとなんとも嬉しいものだ。
性別:♂
体長:約5.2mm
分類:
タマムシ科 Buprestidae
ナガタマムシ亜科 Agrillinae
ナガタマムシ族 Agrilini
参考文献:
大桃定洋・福富宏和,2013.日本産タマムシ大図鑑.
黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之(編), 1985.  原色日本甲虫図鑑(III). 
黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之(編), 1985.  原色日本甲虫図鑑(III)

ヤナギチビタマムシ

Trachys  minutus salicis (Lewis, 1893)
ヤナギチビタマムシヤナギチビタマムシ

 原名亜種 T. m. minutus はヨーロッパ産で、この属の基準種となっており、リンネが記載している。日本産のものは点刻が浅く、ややまばらだとか。ヤマヤナギの葉上から得られ、交尾しているものもいた。模様は白い剛毛だが、よく見ると半透明にも見える。上翅は黒いが、頭部と前胸背板は暗い銅色に見える。
性別:♂
体長:約3.3mm
分類:
タマムシ科 Buprestidae
ナガタマムシ亜科 Agrillinae
チビタマムシ族 Trachyini
参考文献:
大桃定洋・福富宏和,2013.日本産タマムシ大図鑑.
黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之(編), 1985.  原色日本甲虫図鑑(III). 


コゲチャホソクチゾウムシ

Holotrichapion (Holotrichapion) semisericeum
(Wagner, 1920)
コゲチャホソクチゾウムシコゲチャホソクチゾウムシ

 まるでヤシの実の内部みたいな、繊維質な見た目をしている。こちらの個体は雄だが、雌のほうが口吻が細長いようだ。越冬をするようで、6~7月に新成虫が出るそうだ。ということは、こちらは古い個体になる。こんな小さな虫でも冬を越せるのだから驚きだ。ホストはイヌシデが主で、アカシデ、エノキ、ケヤキでも見つかるという。
性別:♂
体長:約1.8mm(口吻除く)
分類:
ミツギリゾウムシ科 Buprestidae
ホソクチゾウムシ亜科 Apionini
(上族) Apionitae
(族) Apionitni
(亜族)Oxystomatina
参考文献:
堀川正美,2008.図鑑以後に判明したホソクチゾウムシ8種の関連植物.月刊むし.
林匡夫・森本桂・木元新作(編), 1984. 原色日本甲虫図鑑(IV). 
日本産ゾウムシデータベース http://de05.digitalasia.chubu.ac.jp/ (2018.8.10閲覧)


アカクチホソクチゾウムシ

Microconapion pallidirostre (Roelofs, 1874)アカクチホソクチゾウムシアカクチホソクチゾウムシ

 名前の通り、口吻(と脚)がやや赤みがかった黄色のホソクチゾウムシ。雄のほうが口吻は赤くなる傾向があるそうだが、個体差はありそうだ。資料を見る限り、雌のほうがやや太い体形をしている。ホストはムラサキシキブで、比較的簡単に見つけられるが、ウツギからも採集例があるそうだ。
性別:♂
体長:約1.8mm(口吻除く)
分類:
ミツギリゾウムシ科 Buprestidae
ホソクチゾウムシ亜科 Apionini
(上族) Apionitae
(族) Apionitni
(亜族)Piezotrachelina
参考文献:
堀川正美,2008.図鑑以後に判明したホソクチゾウムシ8種の関連植物.月刊むし.
林匡夫・森本桂・木元新作(編), 1984. 原色日本甲虫図鑑(IV). 
日本産ゾウムシデータベース http://de05.digitalasia.chubu.ac.jp/ (2018.8.10閲覧)



エゴシギゾウムシ

Curculio (Curculio) styracis (Roelofs, 1874)
エゴシギゾウムシエゴシギゾウムシ

 名前の通り、エゴノキにつくシギゾウムシ。しかし、居る木と居ない木があるような…。成虫は春先から現れるが、産卵は秋口。それまで何をしているのだろうか。よく似た種がいくつかいるが、白帯の出方で見分けることができるようだ。腹面はびっしりと白い剛毛に覆われている。顔の下にまでびっしりだ。なお、資料によれば、最も簡単に見られるシギゾウムシのうちの一種。
性別:♂
体長:約6.3mm(口吻除く)
分類:
ゾウムシ科 Curculionidae
ゾウムシ亜科 Curculioninae
シギゾウムシ族 Curculionini
(亜族)Curculionina
参考文献:
森本桂,2011.日本産シギゾウムシ類の概説.昆虫と自然.
藤本博文,2011.採集難易度付き日本産シギゾウムシ族一覧.昆虫と自然.
林匡夫・森本桂・木元新作(編), 1984. 原色日本甲虫図鑑(IV). 
日本産ゾウムシデータベース http://de05.digitalasia.chubu.ac.jp/ (2018.8.10閲覧)