はじめに

深度合成を用いて撮影した昆虫をタイトル通り”ためつすがめつ”、様々な方向から掲載し紹介していきたいと思います。同定間違い、学名等の間違い、どんどんご指摘ください。今後ともよろしくお願い致します。

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2018年5月19日土曜日

標本写真 2018.4.14① クロノコムネキスイなど

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オサムシ科 Carabidae
アトキリゴミムシ亜科 Lebiinae
ヤセアトキリゴミムシ
Dolichoctis (Mochtherusluctuosus (Putzeys, 1875)
ヤセアトキリゴミムシヤセアトキリゴミムシ

 体長約8.0mm。名前の通り、前胸背板が上翅の幅の半分ほどしかなく、くびれもあり痩せているように見えるアトキリゴミムシ。同属の他種は上翅に黄色い模様が入るが、この種は模様がない。亜属の分け方はこの模様ではなく、上唇基節の中央の突起の有無(本種はある)で決まる。立ち枯れや倒木に普通ということで、この個体も立ち枯れから得られた。
【参考】
上野俊一・黒澤良彦・佐藤正孝(編), 1985.  原色日本甲虫図鑑(II). 
森正人,2013.兵庫県のアトキリゴミムシ類(1).きべりはむし.

ハネカクシ科 Staphylinidae
アリヅカムシ亜科 Pselaphinae
ヒゲブトムネトゲアリヅカムシ属の1種
Petaloscapus  sp.
ヒゲブトムネトゲアリヅカムシ属の1種ヒゲブトムネトゲアリヅカムシ属の1種


 体長約1.9mm。立ち枯れから得た。原色図鑑のヒゲブトムネトゲアリヅカムシの記述に合致するものの、日本産ハネカクシ科総目録ではこの属に7種が掲載され、さらに近年もう一種記載されたようである。よってこの種がどれにあたるかは判断できない。造形が非常に素晴らしく、例えば触角第1節の太く頑丈な形、上翅の基部に空いた3つの穴など、魅力を探せばキリがない。いつか種名を確定させたいものである。
【参考】
上野俊一・黒澤良彦・佐藤正孝(編), 1985.  原色日本甲虫図鑑(II). 
柴田泰利ら,2013.日本産ハネカクシ科総目録.九州大学総合研究博物館研究報告.

キスイムシ科 Cryptophagidae
キスイムシ亜科 Cryptophaginae
クロノコムネキスイ
Henoticus japonicus Nakane et Hisamatsu, 1963
クロノコムネキスイクロノコムネキスイ

 体長約1.9mm。林緑のビーティングで得ているが、枯れ枝でもあったのだろうか。この個体は真っ黒だが、やや色が薄く茶色っぽいものもいるようだ。前胸背板が鋸刃状になっているからこの和名なのだろうが、あまり目立たない。それよりも前胸背板に1対の小さな穴が開いていることが気になる。この穴は何かに役立っているのだろうか。
【参考】
黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之(編), 1985. 原色日本甲虫図鑑(III).

ケシキスイ科 Nitidulidae
ケシキスイ亜科 Nitidulinae
ケシキスイ族 Nitidulini
クロヒラタケシキスイ
Ipidia (Ipidia) variolosa Reitter, 1879
クロヒラタケシキスイクロヒラタケシキスイ

 体長約5.2mm。立ち枯れから得られている。そのほか、倒木の樹皮下などからも得られており、狭い空間に適したような扁平な体型をしている。かなり頑丈そうな見た目をしており、特に無骨で粗い点刻は金属を打って鍛えたような印象がある。腹面から見ると上翅が腹部をやや巻き込むような形でガードしているように見える。
【参考】
黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之(編), 1985. 原色日本甲虫図鑑(III).

久松定智,2015ー2017.日本のケシキスイ科.昆虫と自然.

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