はじめに

深度合成を用いて撮影した昆虫をタイトル通り”ためつすがめつ”、様々な方向から掲載し紹介していきたいと思います。同定間違い、学名等の間違い、どんどんご指摘ください。今後ともよろしくお願い致します。

画像の無断使用はご遠慮願います

2016年10月30日日曜日

トホシテントウ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily ヒラタムシ上科 Cucujoidea
科 Family テントウムシ科 Coccinellidae
亜科 Subfamily テントウムシ亜科 Coccinellinae
族 Tribe マダラテントウ族 Epilachnini
属・種 genus,species Epilachna admirabilis Crotch, 1874
トホシテントウ Epilachna admirabilis Crotch, 1874-4-4
トホシテントウ Epilachna admirabilis Crotch, 1874-1-1
トホシテントウ Epilachna admirabilis Crotch, 1874-3-3
トホシテントウ Epilachna admirabilis Crotch, 1874-2-2

   8月4日採集。体長5.4-7.5mm。種小名”admirablis”は『称賛』の意味。どこを指してのことかは分かりません。和名だけ見るとナナホシテントウの仲間のようだが、雰囲気は大きく異なる。まずは食性が異なり、このテントウムシは草食性で主にカラスウリなどを食べるようだ。そして見た目で大きく異なるのは、少しぼやっとしている…その要因は全身に生えた毛。毛むくじゃらである。面白いのは、翅の毛で、褐色のところは白っぽい毛が、黒いところには黒い毛が見事に生え分けている。しかし、前胸背板は黒いところも白っぽい毛。この違いはなんなのだろうか。

2016年10月27日木曜日

ヒゲコメツキ♂


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily コメツキムシ上科 Elateroidea
科 Family コメツキムシ科 Elateridae
亜科 Subfamily オオヒゲコメツキ亜科 Oxynopterinae
族 Tribe - 
属・種 genus,species Pectocera fortunei Candèze, 1873
ヒゲコメツキ Pectocera fortunei Candèze, 1873-4-4
ヒゲコメツキ Pectocera fortunei Candèze, 1873-1-1
ヒゲコメツキ Pectocera fortunei Candèze, 1873-3-3
ヒゲコメツキ Pectocera fortunei Candèze, 1873-2-2

 5月4日採集。体長24-30mm。立派な髭である。触”角”と書こうが髭である。板垣退助よりすごい。この立派すぎる髭は♂だけのもので、♀はまっすぐな触覚である。コメツキムシはどれも似たり寄ったりだが、この種は圧倒的個性を持って、他とは一線を画している。広がった髭は髭のレベルを超えてもはや翼のようですらある。深度合成した際、触覚を綺麗に写すの難しい(涙)

2016年10月25日火曜日

キバネニセハムシハナカミキリ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily ハムシ上科 Chrysomeloidea
科 Family カミキリムシ科 Cerambycidea
亜科 Subfamily ハナカミキリ亜科 Lepturinae
族 Tribe ハイイロハナカミキリ族 Rhagiini
属・種 genus,species Lemula decipiens Bates, 1884
キバネニセハムシハナカミキリ Lemula decipiens Bates, 1884-4-4
キバネニセハムシハナカミキリ Lemula decipiens Bates, 1884-1-1
キバネニセハムシハナカミキリ Lemula decipiens Bates, 1884-3-3
キバネニセハムシハナカミキリ Lemula decipiens Bates, 1884-2-2

   5月8日採集。体長4-8mm。カミキリムシはハムシ上科に属しているが、あまり似ていないなあと思っていた。しかし、カミキリムシの中には小型で、ハムシに似たものも数種いるようだ。しかし顔を見るとやはりカミキリムシだなと感じる。この種は春から初夏にかけて花でよく見られるそうだ。普通に見られるから気に留めない人もいるかもしれないが、脚の色の移り変わりや、柑橘類みたいな鞘翅が素敵だ。

2016年10月24日月曜日

セグロヒメツノカメムシ


目 Order カメムシ目 Hemiptera
亜目 Suborder カメムシ亜目 Heteroptera
上科 Superfamily カメムシ上科 Pentatomoidea
科 Family ツノカメムシ科 Acanthosomatidae
亜科 Subfamily -
族 Tribe
属・種 genus,species Elasmucha sinoreti Scott, 1874
セグロヒメツノカメムシ Elasmucha sinoreti Scott, 1874-4-4
セグロヒメツノカメムシ Elasmucha sinoreti Scott, 1874-1-1
セグロヒメツノカメムシ Elasmucha sinoreti Scott, 1874-3-3
セグロヒメツノカメムシ Elasmucha sinoreti Scott, 1874-2-2

   8月31日採集。体長7-9mm。名前の通り背中(小楯板)に大きな黒い模様があるツノカメムシの仲間。ツノカメムシと言えば腹端から巨大なハサミが伸びている種があるが、この種は小さい…と思いきや翅の模様でした。ツノカメムシの仲間はメスが子供を保護する種が多いが、この種も2齢幼虫までは保護するそうだ。体には深くしっかりとした点刻があり、とても硬く強そうだ。実際は脆くて涙。特に触覚の弱さを何とかしてください。

2016年10月23日日曜日

クロシデムシ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily ハネカクシ上科 Staphylinoidea
科 Family シデムシ科 Silphidae
亜科 Subfamily モンシデムシ亜科 Nicrophorinae
族 Tribe - 
属・種 genus,species Nicrophorus concolor Kraatz, 1877
クロシデムシ Nicrophorus concolor Kraatz, 1877-4-4
クロシデムシ Nicrophorus concolor Kraatz, 1877-1-1
クロシデムシ Nicrophorus concolor Kraatz, 1877-3-3
クロシデムシ Nicrophorus concolor Kraatz, 1877-2-2

   5月13日採集。体長25-45mm。この個体は37mm。なにを思ったか大型昆虫の撮影である(クロシデムシは日本最大種らしい)。枚数は増えるが普通に深度合成ができた。シデムシは漢字で『死出虫』『埋葬虫』などと書き、主に動物の死体を食べる虫である。その中でもこのクロシデムシは、どことなく死神のような印象をもった。高級な革のような翅、そしてユーモラスであるような、逆に恐ろしいような相反する印象を持つ顔。とても惹きつけられる虫だ。ライティングが悪く、上から見た画像の顔を白飛びさせてしまいました。面倒なのでそのままです。あまり大きくして見ないでください…

2016年10月22日土曜日

ムモンホソアシナガバチ


目 Order ハチ目 Hymenoptera
亜目 Suborder ハチ亜目(有剣類) Apocrita(Aculeata)
上科 Superfamily スズメバチ上科 Vespoidea
科 Family スズメバチ科 Vespidae
亜科 Subfamily アシナガバチ亜科 Polistinae
族 Tribe チビアシナガバチ族 Ropalidiini
属・種 genus,species Parapolybia crocea
Saito-Morooca, Nguyer & Kojima, 2015
ムモンホソアシナガバチ Parapolybia crocea Saito-Morooca, Nauyer & Kojima, 2015-3-3
ムモンホソアシナガバチ Parapolybia crocea Saito-Morooca, Nauyer & Kojima, 2015-1-1
ムモンホソアシナガバチ Parapolybia crocea Saito-Morooca, Nauyer & Kojima, 2015-2-2

   8月13日採集。体長14-20mm(働き蜂)。アシナガバチの中でも雰囲気が他と異なる種で、よく見るアシナガバチとは族が異なる。本州には同属で模様の色が若干濃く、若干小さめの姫星アシナガバチがいる。ここからは学名の話題で、記載年が2015年と随分新しい。しかし、この種は昔から普通にこの名前で呼ばれていた。かつてはP.indicaと同種だと思われていたのが別種だと分かったための変更だという。各種昆虫サイトやブログではまだ前の学名のままのところがほとんどだが、こういう情報を手にいれたら、すぐに変更していく方がよいと思う。一度ページを作ってそのまま放置…ということにはしたくないものだ。

2016年10月21日金曜日

ヒゲブトハムシダマシ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily ゴミムシダマシ上科 Tenebrionoidea
科 Family ゴミムシダマシ科 Tenebrionidae
亜科 Subfamily ハムシダマシ亜科 Lagriinae
族 Tribe ハムシダマシ族 Lagriini(Lupropini)
属・種 genus,species Luprops orientalis (Motschulsky, 1868)
ヒゲブトハムシダマシ Luprops orientalis (Motschulsky, 1868)-4-4
ヒゲブトハムシダマシ Luprops orientalis (Motschulsky, 1868)-1-1
ヒゲブトハムシダマシ Luprops orientalis (Motschulsky, 1868)-3-3
ヒゲブトハムシダマシ Luprops orientalis (Motschulsky, 1868)-2-2

   8月15日採集。体長8-10mm。よく似た種にアラメヒゲブトハムシダマシがいるが、総合的に見て判断。前胸の形が結構違う気がする。詳しくは図鑑や詳しいサイトで。岐阜県ではアラメの記録がほとんどなく、こちらが優占種のようだ。一見すると地味だが、体中の点刻はなんとも無骨で、がっしりとした印象がある。ハムシダマシということで体型は確かにハムシに似ているが、なんとなく華奢な感じがするハムシとは別物である。

2016年10月20日木曜日

コバネヒョウタンナガカメムシ


目 Order カメムシ目 Hemiptera
亜目 Suborder カメムシ亜目 Heteroptera
上科 Superfamily ナガカメムシ上科 Lygaeoidea
科 Family ヒョウタンナガカメムシ科 Rhyparochromidae
亜科 Subfamily ヒョウタンナガカメムシ亜科 Rhyparochrominae
族 Tribe サビヒョウタンナガカメムシ族Myodochini
属・種 genus,species Togo hemipterus (Scott, 1874)
コバネヒョウタンナガカメムシ Togo hemipterus (Scott, 1874)-4-4 コバネヒョウタンナガカメムシ Togo hemipterus (Scott, 1874)-1-1 コバネヒョウタンナガカメムシ Togo hemipterus (Scott, 1874)-3-3 コバネヒョウタンナガカメムシ Togo hemipterus (Scott, 1874)-2-2

   8月31日採集。体長約7mm。翅が短く、腹端まで届かないのが特徴なヒョウタンナガカメムシだが、まれに翅が長いものが現れるらしい。自らのアイデンティティを消し去るのはもったいない(本人がそう思っているはずがないが)。ちなみにコバネナガカメムシ科なる科もあるが、そちらとはあまり関係なさそう。この虫が属するTogo属は日本特産で2種しかいないらしいが、もう一種が正体不明らしいので、実質Togo属はこの虫のためだけに存在しているようなもんだろう。蟻にも似たその顔は、つぶらな瞳がプリティー。台紙の貼り方がひどいので猛省しています。

2016年10月19日水曜日

アオグロカミキリモドキ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily ゴミムシダマシ上科 Tenebrionoidea
科 Family カミキリモドキ科 Oedemeridae
亜科 Subfamily カミキリモドキ亜科 Oedemerinae
族 Tribe Asclerini
属・種 genus,species Ischnomera nigrocyanea (Lewis, 1895)
アオグロカミキリモドキ Ischnomera nigrocyanea (Lewis, 1895)-1-1
アオグロカミキリモドキ Ischnomera nigrocyanea (Lewis, 1895)-4-4
アオグロカミキリモドキ Ischnomera nigrocyanea (Lewis, 1895)-2-2
アオグロカミキリモドキ Ischnomera nigrocyanea (Lewis, 1895)-3-3

   5月8日採集。体長6-9mm。春から初夏にかけて花の上によくいる、はっきり言って地味な昆虫である。たしかにカミキリっぽいが、顔はゴミムシダマシ系である。普通種なのでそこら辺にいるし、取り立てて気にされる存在ではない。しかしよく見るといぶし銀というか、なかなかいい色をしている。カミキリモドキには有毒成分を持つものがいるが、この種はないらしい。なお、腹の先から出ているのは男のシンボルである。しまっとけよとか思うが、虫の同定をする際には結構見るし、無理やり押し込むのも自分が痛い難しいのでこのままである。

2016年10月18日火曜日

スケバハゴロモ


目 Order カメムシ目 Hemiptera
亜目 Suborder 頸吻亜目(ハゴロモ型類)
Auchenorrhyncha(Fulgoromorpha)
上科 Superfamily ハゴロモ上科 Fulgoroidea
科 Family ハゴロモ科 Ricaniidae
亜科 Subfamily - 
族 Tribe -
属・種 genus,species Euricania facialis Melichar, 1898
スケバハゴロモ Euricania facialis Melichar, 1898-4-4
スケバハゴロモ Euricania facialis Melichar, 1898-1-1
スケバハゴロモ Euricania facialis Melichar, 1898-3-3
スケバハゴロモ Euricania facialis Melichar, 1898-2-2

   8月10日採集。体長約6mm(翅端まで約10mm)。ハゴロモ科の昆虫は他にベッコウハゴロモやアミガサハゴロモがよく見られるが、それより少ない印象。透明な翅が特徴的だが、特に横からの写真を見ると、少しくしゃっとさせたセロハンのような質感だということが分かった。私のよく行く場所では、3頭に1頭くらいの割合で、ハゴロモヤドリガの幼虫がついていた。この手の虫は台紙の張り方に迷う。割合大きいので台紙の先端を切ったが、口吻などが隠れてしまった。標本作成も試行錯誤しなければと感じている。

2016年10月17日月曜日

ベーツホソアトキリゴミムシ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder オサムシ亜目 Adephaga
上科 Superfamily -
科 Family オサムシ科 Carabidae
亜科 Subfamily ゴモクムシ亜科 Harpalinae
族 Tribe アトキリゴミムシ族 Lebiini(Dromiusina)
属・種 genus,species Dromius(Klepterus) batesi Habu, 1958
ベーツホソアトキリゴミムシ Dromius (Klepterus) batesi Habu, 1958-4-4
ベーツホソアトキリゴミムシ Dromius (Klepterus) batesi Habu, 1958-1-1
ベーツホソアトキリゴミムシ Dromius (Klepterus) batesi Habu, 1958-3-3
ベーツホソアトキリゴミムシ Dromius (Klepterus) batesi Habu, 1958-2-2

   8月18日採集。体長5-6mm。ゴミムシはやたら難しいが、ツイッターで教えていただいた。近似種のホソアトキリゴミムシとは前胸の形の違いと翅の穴の有無で見分けるようだ。顔周りに毛があるが、これで周りの情報をキャッチするのか。横から見るとかなり平たく、ベーツホソ…と呼びたくなってしまうがそれではカミキリムシになってしてしまう。植物の上に陣取り、獲物を捕らえるハンターだそうだ。撮影中に左前脚の爪が飛んでしまい悲しい。

2016年10月16日日曜日

スグリゾウムシ


目 Order コウチュウ目 Coleoptera
亜目 Suborder カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 Superfamily ゾウムシ上科 Curculionoidea
科 Family ゾウムシ科 Curculionidae
亜科 Subfamily クチブトゾウムシ亜科 Entiminae
族 Tribe Trachyphloeini
属・種 genus,species Pseudocneorhinu bifasciatus Roelofs, 1879
スグリゾウムシ Pseudocneorhinus bifasciatus Roelofs, 1879-4-4
スグリゾウムシ Pseudocneorhinus bifasciatus Roelofs, 1879-1-1
スグリゾウムシ Pseudocneorhinus bifasciatus Roelofs, 1879-3-3
スグリゾウムシ Pseudocneorhinus bifasciatus Roelofs, 1879-2-2

   5月8日採集。体長5-5.6mm。丸い。ゾウムシだがどこにもゾウを連想させるような箇所はなく、むしろトドとかセイウチみたいな感じがする。肉眼では確認できないが、結構とげとげである。名前はスグリということでスグリ(クロスグリはカシスと言った方が分かりやすいかも)の仲間を食べる…と思いきや、結構何でも食べるらしい。ちなみに日本にいるやつは♀で単為生殖するようだ。男は用なし…と思いきや、長崎県の男女群島と中国ではオスがいるらしい。スグリゾウムシの日本男児を求めるのはかなり難しそうだ。

2016年10月15日土曜日

マダラヒメバチ


目 Order ハチ目 Hymenoptera
亜目 Suborder ハチ亜目(有錐類) Apocrita(Parasitica)
上科 Superfamily ヒメバチ上科 Ichneumonoidea
科 Family ヒメバチ科 Ichneumonidae
亜科 Subfamily ヒメバチ亜科 Ichneumoninae
族 Tribe Ichneumonini
属・種 genus,species Ichneumon yumyum Kriechbaumer, 1895
マダラヒメバチ Ichneumon yumyum Kriechbaumer, 1895-1-1
マダラヒメバチ Ichneumon yumyum Kriechbaumer, 1895-2-2
マダラヒメバチ Ichneumon yumyum Kriechbaumer, 1895-3-3

   9月11日採集。体長約15mm。ツイッター上で教えていただいた。明かりに来ていた綺麗な蜂。触角のグラデーション、アクセントになる黄色の小楯板、目立つ場所だけに唯一使われるオレンジ。素晴らしい。その正体は、おそろしく闇の奥の深いヒメバチ科の蜂であった。国内で1500種程度知られているらしいが、実際はその数倍はいるとか。同定も難しい、というか資料が…ヒメバチをはじめ寄生蜂の研究が進み、よい図鑑が出るのを心待ちにしているのは私だけではない…はず。