はじめに

深度合成を用いて撮影した昆虫をタイトル通り”ためつすがめつ”、様々な方向から掲載し紹介していきたいと思います。同定間違い、学名等の間違い、どんどんご指摘ください。今後ともよろしくお願い致します。

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2017年11月17日金曜日

標本写真 2017.5.5① メダカヒシベニボタルなど

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コガネムシ科 Scarabaeidae

ハナムグリ亜科 Cetoninae

ハナムグリ族 Cetoniini

クロハナムグリ
Glycyphana 
fulvistemma Motschulsky, 1860
クロハナムグリ

クロハナムグリ

クロハナムグリ
2014.7.6 撮影

   体長約16.3mm。初夏くらいから花に他のハナムグリ等と混じって見られる。数はめちゃくちゃ多いというわけではないが、黒くて大きめなのでよく目立つ。越冬をするということで晩秋にも見られるらしい。この個体は、夜間に材の隙間から発見した。寝ていたのか、はたまたまだ越冬をしていたのか…。表面は蝋状の物質で覆われ光沢がないそうだが、この個体は幾分それが落ちているように見える。
(参考:日本産コガネムシ上科標準図鑑)

ヒラタハナムグリ亜科 Valginae

ヒラタハナムグリ族 Valgini

ヒラタハナムグリ
Nipponovalgus angusticollis angusticollis (Waterhouse, 1875)
ヒラタハナムグリ

ヒラタハナムグリ

ヒラタハナムグリ
2015.4.26 撮影

   体長約6.3mm。亜種がトカラ列島にいる。名前の通り体が扁平なコガネムシ。全身が腹部も含め鱗片に覆われている。突起が割とたくさんあり、ごつごつした印象。また、腹端も大きく上翅からはみ出ている。花で見ることが多いが、朽ち木でもよく見かける。ちなみにNipponovalgus属は世界に2種で、2種とも日本にいるそうだ。
(参考:日本産コガネムシ上科標準図鑑)

コフキコガネ亜科 Melolonthinae

コフキコガネ族 Melolonthini
(クロコガネ亜族 Rhizotrogina)

コクロコガネ
Holotrichia  picea Waterhouse, 1875
コクロコガネ


コクロコガネ

   体長約17.3mm。晩春あたりから灯下によくやってくるコガネムシ。よく似た種がいくつかいるが、前胸背板の前縁に立毛があることや、艶、時期、体長などからこの種と判断した。背面から見ると面白い特徴はそんなにないなと思うのだが、腹面はライオンのたてがみのような毛でおおわれている。普段見向きをしない虫でも、しっかり見てみると面白い発見がるのではないだろうか。
(参考:日本産コガネムシ上科標準図鑑)


ベニボタル科 Lycidae

ヒシベニボタル亜科 Dictyopterinae

ヒシベニボタル族 Dictyopterini

メダカヒシベニボタル
Punicealis medvedevi (Kazantsev, 1990)


   体長約8.5mm。虫の名前にはしばしばメダカとつくものがいるが、当然魚のメダカは関係なく、目が高い=目が出っ張っているという意味で捉えればいいようだ。後脚の転節というあまり注目されないような場所に特徴があり、そこが長い。オスの先端部の内角は鋭く突出すると資料にあるが、これは雌雄どちらなのだろうか(調べた時にはオスだと思い込んでいたが、あまり自信が名なくなってきた)。なお学名についてはタイプ標本の問題があり、原色図鑑から変更があったようである。
(参考:松田潔 日本産ベニボタルの同定マニュアル さやばねN.S.)



コメツキムシ科 Elateridae

コメツキ亜科 Elaterinae

アカコメツキ属の一種
Ampedus sp.


   体長約9.5mm。この属の最普通種であるアカコメツキであろうと思っているのだが、この属は異様に種分化が進んでいるらしく1989年の昆虫目録の時点で82種が記録されている。それ以降もバンバン記載されていて、どんどん数が増えている。種の確認は雄交尾器を用いるのだが、問題はそこではなく、資料がないことである。いくら普通種であろうと思っても、他の種の可能性を排除するための資料(またはこの種だと断言できる資料)がないと結局同定できず、もやもやしてしまう。
(参考:原色日本甲虫図鑑第3巻)

2017年11月10日金曜日

標本写真 2017.10.4② カタモンチビオオキノコなど

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タマキノコムシ科 Leiodidae

タマキノコムシ亜科 Leiodinae

和名なし
Pseudocolenis hilleri Reitter, 1884
Pseudocolenis hilleri

   体長約2.1mm。多孔菌的なキノコを見るとたいてい採れる、タマキノコムシの中では会いやすいであろう種。和名なしとなっているが、これは分類上の混乱が原因で、原色図鑑の記述と異なっている。ことの顛末は甲虫ニュースに詳しい。上翅の横溝が密でほぼ無点刻(=この写真の種)がP.hilleriで、横溝がほどほどで明瞭な点刻があるものがP.grandisとのことなので、ここに記しておく。
(参考:原色日本甲虫図鑑第2巻、保科英人 日本産タマキノコムシ科 Pseudocolenis, Pseudoliodes 両属の分類学的諸問題 甲虫ニュース


オオキノコムシ科 Erotylidae


オオキノコムシ亜科 Erotylinae

タイショウオオキノコ
Episcapha morawitzi (Solsky, 1871)
タイショウオオキノコ

タイショウオオキノコ
2015.5.3 撮影


   体長約15.0mm。原色図鑑には対馬以外では稀との記述があるが、それとは裏腹に私が最もよく出会うオオキノコムシである。どうやらここ最近で急増しているらしい。ヒメオビオオキノコやミヤマオビオオキノコに似るが、複眼の間の幅などで判断できる。赤い紋は退色しやすいが、なかなか綺麗に残せたのではないだろうか。
(参考:原色日本甲虫図鑑第3巻

カタモンチビオオキノコ
Spondotriplax horioi Nakame et Nobuchi, 1955カタモンチビオオキノコ


   体長約3.4mm。触角の球棹節が5節のオオキノコムシ。原色図鑑にはキオビチビオオキノコの解説の下に少し記述があるだけなので、Twitterで教えてもらうまで全く気が付かなかった。幸い原記載が手に入ったので記述を見たところ、一致した。肩の紋が正方形に近くなるようだ。各所で記録があるようだが、図版や写真が示されているものがほとんどないようで、同定に苦労する種であった。
(参考:中根猛彦・野淵輝 日本産Spondotriplax属オオキノコムシの2新種 あきつ、原色日本甲虫図鑑第3巻


ホソチビオオキノコ
Triplax japonica japonica Crotch, 1873
ホソチビオオキノコ

ホソチビオオキノコ
2015.10.17 撮影

   体長約4.7mm。亜種が奄美大島と台湾にいるそうだ。このてのオオキノコは会いにくいものらしいが、この種は比較的見つけやすいのではないだろうか。属和名のナガチビオオキノコ属の示す通り、やや細長い体型をしている。この種に限らずオオキノコムシは下唇鬚の先端節が半月状になっているが、キノコを食べるうえで必要なのだからだろうか。
(参考:原色日本甲虫図鑑第3巻



ヒメハナムシ科 Phalacridae

ベニモンアシナガヒメハナムシ
Augasmus coronatus (Flach, 1889)
ベニモンアシナガヒメハナムシ

   体長約2.3mm。ヒメハナムシ科は微小で、さらに突起や派手な模様などがあるわけでもなく、虫好きにすら認知されているか怪しいグループだと思う。この種はたぶん普通種だが、ネット上でも画像が少ない。名前のアシナガはおそらく後脚胕節のことで、第1節がとても長い。触角の形もおもしろく、個人的にぜひ人気が出てほしいと思っている。なお、学名については2013年に出た論文に基づいて日本産のリストが作られており、それに従った。  体長約5.6mm。ハカワラタケのようなキノコを見ると大抵ぴょんぴょん跳ね回っている。
(参考:原色日本甲虫図鑑第3巻、吉富博之・亀澤洋 日本産ヒメハナムシ科の暫定リスト-Gimmel(2013)の紹介 さやばねN.S.



ナガクチキムシ科 Melandryidae

ナガクチキムシ亜科 Melandryinae

カバイロニセハナノミ
Orchesia ocularis Lewis, 1895
カバイロニセハナノミ

   ナガクチキの仲間の中でも、見つけるのは簡単な方であろう(資料にはナガクチキの採集難易度が載っているが、最も低くなっている)。やはり目を引くのが後脚の櫛状の棘であろう。これはいったい何に使うのか、キノコで暮らす上に役立つのか、ただのこけおどしなのか…考えるだけでワクワクする。
(参考:原色日本甲虫図鑑第3巻、水野弘造 ナガクチキ 昆虫と自然)

2017年11月5日日曜日

標本写真 2017.7.2① クモノスモンサビカミキリなど

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カミキリムシ科 Cerambycidae

ハナカミキリ亜科 Lepturinae

ハイイロハナカミキリ族 Rhagiini

チャイロヒメハナカミキリ
Pidonia (Mumon) aegrota aegrota (Bates, 1884)
チャイロヒメハナカミキリ

   体長約8.0mm。亜種が対馬にいる。数多いPidonia属の中にあって、亜属のMumon(無紋)が示す通り、珍しく紋がない。このカミキリムシ自体は珍しくないと思うが。Pidonia属は同定が難しいが、特徴がないことが逆に特徴になり、分かりやすい。もちろん花に集まるが、薄暗い場所の方が好きなようだ。
(参考:日本産カミキリムシ)

オオヒメハナカミキリ
Pidonia (Pidonia) grallatrix (Bates, 1884)
オオヒメハナカミキリ

   体長約14.2mm。大型のPidonia属。翅に太い黒条があるのが特徴。もちろん、似たようなものがたくさんいるので、それだけで判断してはいけない。こちらも前種と同じく、よく見られるようだ。図鑑によれば低山地にもいるらしいが、岐阜県での記録はやはり山地よりの場所ばかりである。
(参考:日本産カミキリムシ)

ハナカミキリ族 Lepturini

ニンフホソハナカミキリ♀
Parastrangalis nymphula (Bates, 1884)
ニンフホソハナカミキリ


   体長約13.9mm。この属は雌雄で体格差が出るようで、オスはもっと細い。割と標高が低い場所でも採れ、この属の中ではおそらくもっとも見つけやすいと思う。ちなみに名前の「ニンフ」とはギリシャ神話に出てくる下級女神(妖精みたいな扱い)だと思うが、ギリシア語では「花嫁」や「新婦」などを表わす言葉でもあるそうだ。
(参考:日本産カミキリムシ)

フトカミキリ亜科 Lamiinae


アラゲカミキリ族 Apodasyini

クモノスモンサビカミキリ
Graphidessa venata venata Bates, 1884
クモノスモンサビカミキリ


   体長約7.1mm。亜種が伊豆にいる。名前の「蜘蛛の巣紋」は上翅の白い稲妻のような模様のことを指す。大変特徴的で、なによりかっこよい。現在のところ1属1種の日本固有種だそうだ。また、上翅の基部に見える黒い点は毛束で、横から見るとモヒカンのように尖っており、それもまた魅力的。
(参考:日本産カミキリムシ)



トホシカミキリ族 Saperdini

シラホシカミキリ
Glenea (Glenea) relicta relicta Pascoe, 1868
シラホシカミキリ


   体長約12.2mm。亜種が国内外にいくつかいるが、国内の亜種は伊豆諸島にいる。茶色地に白の水玉模様という、人間感覚ではとてもおしゃれな装いをしている。この水玉模様の部分は毛で、茶色の部分は無毛である。よく似た偽シラホシカミキリは翅の形が違い、別属になるそうだ。
(参考:日本産カミキリムシ)

2017年10月21日土曜日

標本写真 2017.10.4① アミダテントウなど

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ネスイムシ科 Monotomidae

デオネスイ亜科 Monotominae

Monotomini

オバケデオネスイ♀Mimemodes monstrosus (Reitter, 1874)
オバケデオネスイ

   体長約2.6mm。なんといっても”オバケ”の名前が面白い。個人的には学名通りのモンスター、或いはカイジュウなんかだとさらにしっくりくる。原色図鑑には『キクイムシの天敵』との記述があり、キクイムシにはまさに怪獣なのだろうか。メスも十分に怪獣感があるのだが、オスは眼が張り出し、もっと怪獣感がでるようだ。前胸背板やはみ出た尾節板の点刻がとても力強くかっこよい。枯れ木や枯草で普通に採れるということなので、ぜひオスも採集したい。
(参考:日本産ヒラタムシ上科図説第1巻、原色日本甲虫図鑑第3巻


ケシキスイ科 Nitidulidae

ヒラタケシキスイ亜科 Epuraeinae

ヒラタケシキスイ族 Epuraeini

マメヒラタケシキスイ
Epuraea (Haptoncurina) paulula  Reitter, 1873
マメヒラタケシキスイ

マメヒラタケシキスイ
頭部(腹面)

   体長約1.8mm。この属は種類がとても多く、どれも似通っており、自分だけでは同定できなかった。CLAVICORNIAの掲示板でお尋ねしたところ、背面では本種又はツヤチビヒラタケシキスイのどちらかだろうと教えていただいた。腹面から顔を見ると、複眼が大きく、頬がないのが本種となるということである。どうやら頬の位置を勘違いしたらしく、それでも誤同定してしまったが、再度ご指摘をいただいた。多くの植物につくようだが、今回は枯れかかった植物のビーティングで多数得た。
(参考:CLAVICORNIA、原色日本甲虫図鑑第3巻



ケシキスイ亜科 Nitidulinae

マルケシキスイ族 Cyllodini

クロマルケシキスイ
Cyllodes ater Herbst, 1792


未成熟個体
後脚腿節

    体長約3.8mm。未成熟個体の方は当初別種かと思い捕まえたが、同定のために後脚腿節をみるとどちらも大差なかった。やはりCLAVICORNIAにて未成熟個体だろうとご指摘をうけた。サクラの伐採木についたキノコの周りをたくさんうろうろしていた。最初はやけに丸いオオキノコムシかと思った。非常に愛らしい虫だと思う。
(参考:CLAVICORNIA、原色日本甲虫図鑑第3巻


テントウムシ科 Coccinellidae


ヒメテントウムシ亜科 Scymninae

アミダテントウ族 Ortaliini

アミダテントウ
Amida tricolor (Harold, 1878)
アミダテントウ


アミダテントウ
2015.8.29 撮影

2015.8.29 撮影


   体長約4.6mm。私の最も好きな虫。学名もその美しい模様からか、阿弥陀如来を由来としているようだ。他の邦産テントウムシを見渡してもこのような模様のものはおらず、一発でこれと分かる。生時の複眼は深い緑色で美しい。幼虫・成虫ともにアオバハゴロモの幼虫を食べるということで、どこにいてもよさそうだが、実際は居る所と居ないところが分かれるようだ。原色図鑑によると本州の分布は福井県以南となっているが、現在はどうなのだろうか。
(参考:テントウムシの調べ方、原色日本甲虫図鑑第3巻


ヒメマキムシ科 Latridiidae


ヒメマキムシ亜科 Latridiinae

ムナボソヒメマキムシStephostethus sp.
ムナボソヒメマキムシ


   体長約1.9mm。問題がある種である。原色図鑑ではStephostethus angusticollisとして掲載されているのだが、この種は本当は翅に毛が生えている。海外のサイトを見ても、長毛がしっかり生えていた。ということで、原色図鑑に載っている(そしてこの写真の)種はS. angusticollisではないということになるそうだ。
(参考:平野幸彦 日本産ヒメマキムシ科 Stephostethus 属の再検討 神奈川虫報

2017年10月14日土曜日

標本写真 2017.10.1④ モンキナガクチキムシなど

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キノコムシダマシ科 Tetratomidae

モンキナガクチキ亜科 Penthinae

モンキナガクチキムシ♂
Penthe japana Marseul, 1876
モンキナガクチキムシ♂


モンキナガクチキムシ

   体長約12.7mm。オスのみ触角の第5節が膨らむ。なぜそんな中途半端な場所なのだろうか。中部以北の物はそのふくらみが大きいということだが、この個体は大きい方に入るのだろうか。前胸背板の黄色い毛が目につくが、触角の先端節も黄色い。モンキナガクチキムシ亜科に所属する昆虫は、日本ではこの虫だけなようである。
(参考:原色日本甲虫図鑑第3巻)


ゴミムシダマシ科 Tenebrionidae

クチキムシ亜科 Alleculinae

クチキムシ族 Alleculini
(クチキムシ亜族 Alleculina)

ホンドクロオオクチキムシ
Upinella  fuliginosa (Mäklin, 1875)
ホンドクロオオクチキムシ

   体長約14.7mm。以前はオオクチキムシと呼ばれていた種であるが、現在はこちらの名前が新しく示されている。朽木を見れば、必ずと言っていいほど出てくる虫。名前にたがわず朽ち木の住人である。腿節の先端の黒い部分の範囲は変異があるそうだ。
(参考:日本産ゴミムシダマシ大図鑑)



キノコゴミムシダマシ亜科 Diaperinae

キノコゴミムダマシ族 Diaperini
(キノコゴミムダマシ亜族 Diaperina)

ベニモンキノコゴミムシダマシ♂
Platydema subfascia subfascia (Walker, 1858)
ベニモンキノコゴミムシダマシ

ベニモンキノコゴミムシダマシ
2015.5.17 撮影
   体長約4.7mm。この仲間ではとても見つけやすく、いろいろなキノコから見つけている。亜種がいくつか存在するが、日本産は南西諸島の島で亜種が分かれるようだ。模様に関しては変異が大きいらしい。なにより特徴的なのは、その角だろう。左右非対称になっており、常に右側だけが発達するようだ。大あごが左右非対称なものは割と聞くが、角が左右非対称な虫はそれより少ないだろうと思う。普通種でも、大変味わい深い。
(参考:日本産ゴミムシダマシ大図鑑)