はじめに

深度合成を用いて撮影した昆虫をタイトル通り”ためつすがめつ”、様々な方向から掲載し紹介していきたいと思います。同定間違い、学名等の間違い、どんどんご指摘ください。今後ともよろしくお願い致します。

画像の無断使用はご遠慮願います

2018年10月1日月曜日

標本写真 2018.7.27② ヒゲナガオトシブミなど

画像はサムネイルですので、クリック(タップ)してご覧ください。


ツマグロヒメコメツキモドキ
Anadastus praeustus  (Crotch, 1873)
ツマグロヒメコメツキモドキ


 基本的には名前の通り、翅の先端部が黒いようだが、時に上翅全体が黒くなる個体もいるという。オレンジ色が鮮やかで美しい。その色は一様ではなく、翅の部分はやや濃くなっており、全体的に頭から翅端に向かってグラデーションがかかっているように見える。

性別:雄
体長:約7.1mm
分類:
オオキノコムシ科 Erotylidae
コメツキモドキ亜科 Languriinae
文献:

黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之(編), 1985.  原色日本甲虫図鑑(III). 
森本桂(監修),2007.新訂原色昆虫大圖鑑第II巻(甲虫篇).




クスベニカミキリ
Pyrestes nipponicus  Hayashi, 1987
クスベニカミキリクスベニカミキリ


 ”くすんだ紅色”のカミキリではなく、”クスノキ科につく紅色”のカミキリ。最初は前者かと思っていた。筒状で太くがっしりとした体形をしており、触角も太く平たい。また、全身から黒い毛が生えており、特に触角の基部から3節は毛が密集している。対馬の個体群は翅が黒い。
 この種であるが、図鑑によって学名がバラバラである。原色甲虫図鑑はP. haematicus、原色大圖鑑はP. munekuro、そして日本産カミキリムシではP. nipponicusである。もともと日本産はP. haematicusとされてきたが、異なることが判明し、P. nipponicusとして記載されたようだ。また、P. munekuroは、前胸背板が黒くなる型のみに与えられたもので、亜種以下の扱いで無効になるという。文献をいくつも見て、常に最新の知見を取り入れていきたいものである。

性別:雌
体長:約17.4mm
分類:
カミキリムシ科 Cerambycidae
カミキリ亜科 Cerambycinae

クスベニカミキリ族 Pyrestini
文献:

大林延夫・新里達也(編),2007.日本産カミキリムシ.
林匡夫・森本桂・木元新作(編), 1984. 原色日本甲虫図鑑(IV). 
森本桂(監修),2007.新訂原色昆虫大圖鑑第II巻(甲虫篇).





ヒゲナガオトシブミ
Paratrachelophorus longicornis  (Roelofs, 1874)
ヒゲナガオトシブミ♂ヒゲナガオトシブミ♂
ヒゲナガオトシブミ♀ヒゲナガオトシブミ♀



 和名・学名ともに触角の長さを採用しているが、それよりも雄の首(正しくは頭部と前胸)が日本で一番長いので、そちらにちなんだ名前にした方がよかったのではと思ってしまう。まるでクレーン車みたいなこの頭部は雄同士の争いに使われるらしい。とはいっても頭で殴り合うのではなく、長さ比べで決着をつけるというから何とも平和的だ。様々な木をホストにするらしく、こんな奇妙な昆虫が身近で見られることは嬉しい。雌もやや頭が長いが、それ以外は他のオトシブミ、特にウスアカオトシブミと紛らわしい。確実に見分けるためには、4枚目の写真のように、後基節側方が閉じていることで見分けるようだ。

性別:雄(1,2枚目)、雌(3,4枚目)
体長:雄約10.9mm、雌約8.5mm
分類:
オトシブミ科 Attelabidae
オトシブミ亜科 Attelabinae

オトシブミ族 Apoderini
文献:

安田守・沢田佳久,2009.オトシブミ ハンドブック.
林匡夫・森本桂・木元新作(編), 1984. 原色日本甲虫図鑑(IV). 
森本桂(監修),2007.新訂原色昆虫大圖鑑第II巻(甲虫篇).


0 件のコメント:

コメントを投稿